The 53 Stations Of The Tokaido In Pairs

日本語: 「大井川　無事に越しと　島田髷　文のかなやに　告るふる郷　梅屋」English: In Japan, an island country with many rivers, having to cross bodies of water made traveling difficult and sometimes hazardous during the Edo period. In this image, More

日本語: 詞書は神奈川宿の北端にある観福寿寺（浦島寺）に因んで浦島太郎の話を載せている。釣りを楽しむ女性の錦絵。English: This elegant woman uses a fishing line to catch prawns as she drifts near the shore at Kanagawa. Her bunched-up sleeves and the scarf she holds i More

日本語: 『東海道五十三對 見附』、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の三島におけるすっぽんに噛みつかれた話を　見附の地がすっぽんを名物とすることから、広重が見附を表す絵として拝借したもの。English: In this print everything goes topsy-turvy as people run into each other trying to escape from a snapping tur More

日本語: 「汐見の見得」で知られる抜け荷買いの頭目毛剃九右衛門を著したとされる錦絵。 Part of the series The 53 stations of the Tokaido in pairs(or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"), a series of woodcuts composed by Hiroshige, Kuniyoshi and Kunisada More

日本語: 『東海道五十三對 府中』　上部はあべ川の情景とあべ川もちの由来を記し、下段には名産である安倍茶の茶摘みを描く。文中の「駿河路や花橘も茶の匂ひ」は松尾芭蕉の句。 Part of the series The 53 stations of the Tokaido in pairs(or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"), a series of woodcuts comp More

日本語: 宇津の山を通る蔦の細道に在る猫石に因んで、『獨道中五十三驛』の「岡崎の化け猫」の情景を描いた錦絵。English: According to legend, there was an old witch living along the Tokaido road who would assume the shape of a giant cat in order to waylay young women More

日本語: 『東海道五十三對 戸塚』　この情景は仮名手本忠臣蔵の一幕『道行旅路の花聟』の腰元お軽を題材にしたものとされる。English: The daimyo were "lords" in the hierarchy of the ruling military aristocracy of feudal Japan. Though a maid, this woman's clothes and hairstyl More

日本語: 『東海道五十三對 日坂』　佐夜ノ中山を題材とした情景を描いたものとされる。English: As a husband passes by the place where his pregnant wife was brutally murdered, her ghost appears and hands their child to him. She then tells him the story o More

日本語: 『東海道五十三對 掛川』　歌舞伎演目『伊勢音頭恋寝刃』の主人公、福岡貢が日に照らして密書を読む情景を描いたもの。 Part of the series The 53 stations of the Tokaido in pairs(or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"), a series of woodcuts composed by Hiroshige, Kuni More

日本語: 『東海道五十三對 二川』　十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の濱松における幽霊の話を二川における画題に困った広重が女性に読ませる形で描いたもの。English: In this print everything goes topsy-turvy as people run into each other trying to escape from a snapping turtle. This print il More

日本語: 『東海道五十三對 大津』　歌舞伎演目『傾城反魂香』の一幕「吃又」を題材とする錦絵。又平（モデルは岩佐又兵衛)が描いた大津絵の主役らが絵から抜け出して踊りだす場面を描いたもの。冒頭の「大津繪の筆のはしめは何佛」は松尾芭蕉の句。 English: The artist Matabei, featured in the upper left corner, looks down with consternatio More

日本語: 『東海道五十三對 桑名』　桑名屋徳蔵の話を桑名の地名にかけて描いたもの。海坊主に臆することのない船乗り徳蔵の錦絵。English: The Sea Monk (Umibozu) is a sea monster with a smooth round head, like the shaven head of a Buddhist monk. This woodblock print illustrates More

日本語: 世話物人形浄瑠璃、歌舞伎『桂川連理柵』より。伊勢参りの帰りに石部宿で帯屋長右衛門と合宿した14歳の信濃屋お半を描いた錦絵。Part of the series The 53 stations of the Tokaido in pairs(or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"), a series of woodcuts composed by Hiroshige, More

日本語: 鳴海より東に1里ほどの場所にある有松村の名産品である有松絞りを紹介する錦絵。English: "Shibori" cloth was made through a tie-dyeing process. It became particularly popular during the Edo period. Cloth would be tied tightly around small pebbles, More

Woodblock print, Shimada Station from the series 53 stations of the Tōkaidō in pairs (or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"). (extracted).

Public domain photo of Japanese woodblock print, Ukiyo-e, free to use, no copyright restrictions image - Picryl description

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『御油 山本勘助草盧』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “宝飯（ほい）郡小坂井の東牛久保村ニ有り 初此郷に住で 躬（ミづから）隴畝（ろうほ）に耕し ある時ハ 別國に漂流して 専ら軍學を鍛ふ 又天文地理を暁（さと）し 韜畧（とうりゃく）を諳（そらん）じ 胸中に八陣を蓄（たくはへ） 此牛久保村を蟄（ちつ）す 其頃 甲州の太守武田大膳大夫春信 駕を枉（まげ）てこれを顧る事三度に及び 人 More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『亀山』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “まだ霧ふかき 朝まだき城のこなたの松原にて 源之丞が二人りの倅 かんなん辛苦も時を得て 恨ミかさなる水右衛門を首尾よく討取 本地に返り 名を萬代に残しける めでたしめでたし“ “石井が隠妻（ことつま）お松といへるハ 明石の里に侘住ひ 二人り子供を養育し 賎（しづ）が手業に世を送る まづしき中に操を立 夫の身の上物案じ しばしまどろむ夕暮に More

Exhibit in the Jordan Schnitzer Museum of Art, University of Oregon - Eugene, Oregon, USA. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『桑名 舩のり徳藏の傳』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “桑名屋徳藏ハ 無双の舩のり也 大晦日にハ舩を出さぬ法也けるニ ある年大晦日ニ舩を出し 沖合にて俄に大風大波立て 大山の如き大坊主舩の先へ出 More

Woodblock print, oban tate-e. Chiryu Station. Ariwara no Narihira, his young sword-bearer and an old man on the yatsuhashi ('Eight plank bridge'). 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『池鯉鮒』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “在原業平朝臣吾妻下りの時 八ツ橋のほとり More

Woodblock print, oban tate-e. Fujikawa Station. Fujikawa Mizuemon stepping on the sword of Isogai Heisuke on the shore. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『藤川』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “藤川水右衛門ハ 私のしゆいをもつて同家中磯貝兵太夫をやミ討になし 長光の刀をうはひ立退（たちのき More

Woodblock print, oban tate-e. Fujisawa Station. Oguri Kojiro showing his wife, Terute-no-hime, that he is cured; waterfall in the background. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『藤澤』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 “小栗小次郎ハ鎌倉権現堂にて強盗横山の家にとまり 毒酒 More

Woodblock print, oban tate-e. Goyu Station. Yamamoto Kansuke and his mother in a hut in the snow, approached by Takeda Harunobu. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『御油 山本勘助草盧』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “宝飯（ほい）郡小坂井の東牛久保村ニ有り 初此郷に住で 躬（ミづか More

Woodblock print, oban tate-e. Hakone Station. Hako-o Maru (the adolescent Soga Goro), in a mountainous landscape with a waterfall in the background. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『箱根』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “工藤左ヱ門祐経は 所領の遺恨に依て河津 More

Woodblock print, oban tate-e. Hamamatsu Station. Taira no Shigemori in captivity at Kamakura, watched by a woman in the foreground. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『濱松の驛』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 “平重衡卿 西海の合戦に打ちまけとらハれとなりて 鎌倉へ下り給ふとき More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『江尻 三保の浦 羽衣松の由来』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 "江尻の東 清水の湊より海濱を廻りて壹里余 三保の洲崎へ至る駿海（しゆんかい）一の名所にして風色世に知る所なり 羽衣松は同所にあり 里言にいふ むかし天人降（くだ）りて松に羽衣をぬき置しを 漁師（れふし）ひろひ取て返さず 天女かりに漁師が妻となり 辛労（くらう）して羽衣を取りかへし 天に帰りしと言傅ふ 羽衣の松 今猶存せ More

Woodblock print, oban tate-e. Hodogaya Station. Yura Hyogo seated on a stool and attended by his wife Minato, watching a dance executed by Shinozuka Hachiro. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『保土ケ谷』、海老屋林之助版、大判錦絵 “足利基氏 竹沢右 More

Woodblock print, oban tate-e. Ishibe Station. Woman cleaning her teeth. 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『石部』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 “いせもとり ならふ枕の 二見潟 かたき石部で とらる合宿 梅屋“ 世話物人形浄瑠璃、歌舞伎『桂川連理柵』より。伊勢参りの帰りに石部宿で帯屋長右衛門と合宿した14歳の信濃屋お半を描いた錦絵。

Woodblock print, oban tate-e. Ishiyakushi Station. Yoshitsune and Benkei among falling cherry blossom. 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『石薬師』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “義經逆桜ハ 石薬師寺の向ひ 民家の裏少し林の内にあり むかし範頼上洛の時 名馬生唼（いけづき）の出し所ハこゝならんとめぐり見給ひ More

Woodblock print, oban tate-e. Kakegawa Station. The swordsmith Shimosaka reading a letter on the Ise shore. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『掛川』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “此驛に下逆（しもさか）の鍛治あり 昔福岡宗吉といふ名匠（めいかじ） 帝の勅命を受（うけ） 大井川の水に和（くわ）し剱一口 More

Woodblock print, oban tate-e. Kambara Station. A woman reading by a window through which Mt. Fuji can be seen; samisen behind her. 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『蒲原の駅 六本松の故事』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 “むかし矢矧の浄瑠璃姫 判官殿を恋慕ふてここまて到り疲れて More

Woodblock print, oban tate-e. Kawasaki Station. Nitta Yoshioki with his two comrades I Danjo and Oshima Suo no Kami on a sinking boat. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『川崎』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “新田義興は 竹澤右京亮江戸遠江守が姦計に欺れて矢口の渡にて亡され More

日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『石薬師』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “義經逆桜ハ 石薬師寺の向ひ 民家の裏少し林の内にあり むかし範頼上洛の時 名馬生唼（いけづき）の出し所ハこゝならんとめぐり見給ひ 馬の鞭を倒（さかしま）にさし給ふ 後に枝葉栄えり 義經逆桜と云か田畠の内ニ有 ちなみニよつて こゝへ義経をゑがくものなり“ 詞書によると義経逆桜として知られる桜が石薬師寺の向かいにある。これは本来、源範頼 More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『草津』、海老屋林之助版、大判錦絵 “延喜八年 秀郷勢田の橋を過ぐるに 龍婦女と化して 三上山の百足を亡（ほろハ）し給ハれと願ふ よって 秀郷かの蚣（むかで）を射る すなハち 其恩として龍宮へ伴ひ あまたの宝をおくる“ 俵藤太の百足退治を著したもの。上段には三上山と百足を描き、下段には琵琶湖の畔で百足退治を依頼した龍の化身である女性と秀郷を描いている。 English: More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『土山』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 “延暦年中 奥州安部高丸 天命に叛（そむき）しかハ 田村将軍追討として 駿州清見が関まで赴（おもむ）きしが こゝに合戦の時清水観音霊験の事あり 又 鈴鹿山鬼神退治の時も観音の功力にて婦女とけし 田村を導き是を討しむ その眷属どもに数多（あまた）矢を放ち給ひ 残らず悪鬼を亡すなり“ 田村麻呂伝説を題材としたしたもの。坂上田村麻呂が清水観音 More

Woodblock print, oban tate-e. Kambara Station from the series 53 stations of the Tōkaidō in pairs (or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"). A woman who was the legendary Jōruri writer writing by a window throu More

Woodblock print, oban tate-e. Yui station from the series 53 stations of the Tōkaidō in pairs (or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"). A woman restoring fishing nets in front of Mt. Fuji. 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」 More

Woodblock print, oban tate-e. Kusatsu Station. Fujiwara no Hidesato on the shore of Lake Biwa with a bow, watches the Dragon Princess rising from the water. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『草津』、海老屋林之助版、大判錦絵 “延喜八年 秀郷勢田の橋 More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『桑名 舩のり徳藏の傳』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “桑名屋徳藏ハ 無双の舩のり也 大晦日にハ舩を出さぬ法也けるニ ある年大晦日ニ舩を出し 沖合にて俄に大風大波立て 大山の如き大坊主舩の先へ出ける 徳藏少しも恐れずかちを取り行ニ くだんの化物 いかに徳藏こハくはなきやと尋るに 徳藏びくともせず 渡世より外にこハきものハなしと大おんニよハゝりけれハ かの化物此一言ニおそれけん More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『桑名 舩のり徳藏の傳』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “桑名屋徳藏ハ 無双の舩のり也 大晦日にハ舩を出さぬ法也けるニ ある年大晦日ニ舩を出し 沖合にて俄に大風大波立て 大山の如き大坊主舩の先へ出ける 徳藏少しも恐れずかちを取り行ニ くだんの化物 いかに徳藏こハくはなきやと尋るに 徳藏びくともせず 渡世より外にこハきものハなしと大おんニよハゝりけれハ かの化物此一言ニおそれけん More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『桑名 舩のり徳藏の傳』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “桑名屋徳藏ハ 無双の舩のり也 大晦日にハ舩を出さぬ法也けるニ ある年大晦日ニ舩を出し 沖合にて俄に大風大波立て 大山の如き大坊主舩の先へ出ける 徳藏少しも恐れずかちを取り行ニ くだんの化物 いかに徳藏こハくはなきやと尋るに 徳藏びくともせず 渡世より外にこハきものハなしと大おんニよハゝりけれハ かの化物此一言ニおそれけん More

Woodblock print, oban tate-e. Kuwana Station. The captain Tokuzo holding an anchor on his boat, watching the ghostly apparition of a Buddhist monk over the sea. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『桑名 舩のり徳藏の傳』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 More

Woodblock print, oban tate-e. Maizaka Station. A pirate ship's captain. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『舞坂の驛』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 “沖遠く 白帆の蝶も まい坂に うち寄るなみの 花をこそ見れ 梅屋“ 「汐見の見得」で知られる抜け荷買いの頭目毛剃九右衛門を著したとされる錦絵。元来は近松門左衛門による浄瑠璃『博多小女郎浪 More

Woodblock print, oban tate-e. Mitsuke Station. Minamoto no Yoritomo releasing cranes on the shore at the village of Iwai. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『見附 金札鶴（きんさつのつる）』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “みかの橋の東爪 西嶋より十町ばかり左の方に 岩井村と云有（あり） More

日本語: 應需 香蝶櫻豊國画「東海道五十三對」より『鳴海』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 "鳴海より壹里ほど東に有松村といふあり 此所の名物ハ 細き木綿をいろいろに絞りて紅と藍とに染分（そめわけ） 諸國へ商ふ これをありまつしぼりといふ 店前に多くかざりてこれをのみあきなふ家所々にあり" 画帳『錦絵』より。鳴海より東に1里ほどの場所にある有松村の名産品である有松絞りを紹介する錦絵。English: from the More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『品川』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “廿日間 邪魔なす雲を 打はらふ 丸にゐ中の 月の卜風 梅屋" 画帳『錦絵』より。品川の鈴ヶ森で白井権八が雲助たちに囲まれ孤軍奮闘している情景を描く。奥には幡随院長兵衛の駕籠が見える。English: from the picture album "Nishiki-e"

日本語: 應需豊國画「東海道五十三對」より『神奈川の驛 浦島づか』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 “雄略天皇の御時 丹後国に浦島子といふあり、ある日独小舟に乗りて海上に釣し時 霊龜顕れ 彼の龜に乗り龍の都へ至りぬ 日を送りて家に帰らんと思ひ 此事を神女に告けけれハ 神女別れを恋慕ふといへとも止らず 終に別れとなり かたみに玉匣をもらひて喜び故郷へ帰りしに 数百歳を経て 七とせの孫に逢ひしとかや“ 画帳『錦絵』より。詞書 More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『川崎』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “新田義興は 竹澤右京亮江戸遠江守が姦計に欺れて矢口の渡にて亡され 其霊魂とゝまりて江戸が帰るさニ 霊魂雷に成て雲中より現れ 敵を取殺す 後 霊魂を慰めんが為ニ 新田大明神と崇祭る 其霊験 今ニ於て倍新也" 画帳『錦絵』より。新田義興が矢口の渡しで最期を迎える情景を描いた錦絵。English: from the picture albu More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『保土ケ谷』、海老屋林之助版、大判錦絵 “足利基氏 竹沢右京亮とはかりて義興を討んことを談ず また竹沢江戸遠江守をかたらひ 両人鎌倉を背きたるよしにて偽り 竟（つひ）に矢口の渡口にて義興を亡ぼす 篠塚八郎此よしを注進して由良兵庫に知らする“ 画帳『錦絵』より。『神霊矢口渡』の二段目切「新田館の段」を基とした錦絵。矢口の渡しで戦死した新田義興について家臣の由良兵庫へ注進する篠 More

日本語: 廣重画（意匠：ヒロ）「東海道五十三對」より『戸塚』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵（二版） "かまくらを 出る鰹に つれたちて やほないなかに なく郭公 重の屋光雄" 画帳『錦絵』より。この情景は仮名手本忠臣蔵の一幕『道行旅路の花聟』から、戸塚における腰元お軽を題材にしたものとされる。初版の詞書の狂歌からは忠臣蔵を連想するのが難しいと判断されたためか、この2版では狂歌が新たに書き換えられている。English: More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『藤澤』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 “小栗小次郎ハ鎌倉権現堂にて強盗横山の家にとまり 毒酒ニてすてに殺さるへきを 照手が貞操にて其場を忍びいで鬼かげといふ荒馬に乗つて藤沢寺へ駈（かけ）入 急難遁（のか）れける されども其毒気にあたり 終にかぎやみとなつて熊野本宮にいたる 照手 百千の苦をしのびて車につきそひ これを引行（ゆく） 熊野権現の利生によつて本復なし かたき横山をう More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『平塚』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 “馬入川ハ平塚宿の手前にあり 昔ハ相模川と唱ふ 甲州猿橋より流れて大河也と相傳ふ 建久九年十二月 稲毛三郎相模川に橋供養をいとなむ 右大将頼朝公も行向ひ給ふ 此時 水上に悪霊出てくろくも舞下り 雷電霹靂（らいでんへきれき）す 頼朝公の乗馬（じょうめ）驚て水中に飛入りて忽ち死す 故に馬入川と号るよし 俗説に言傳ふ“ 画帳『錦絵』より。馬入川の名の More

日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『大磯』、海老屋林之助版、大判錦絵 “曾我十郎祐成ハ 弟の五郎と共に父の仇（あだ）なる工藤祐経を討（うた）んと心を砕きて附覘（つけねら）ふといへども 其便（たより）を得ず 或時 不圖（ふと）大礒の遊君虎御前になれそめ深き中とぞ成にける 虎ハ祐成が本望達せし後 十九歳にて尼と也 諸国を巡り後 紀州熊野に趣（おもむ）く路（みち）にておはる 時に寛元二年正月なり 年七十一歳という More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『小田原の驛』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 “前右兵衛佐源頼朝は 永暦元年より伊豆の國に配流と成 十四年の春秋を送り給ひけるうち伊東入道の娘に馴そめ 人しれずふかき中とそなりける 此事入道の耳ニ入りし給ひ奉るべきを 祐清か忠義ニよつて 北條か館ニ入 御頼ありて終ニ時政か婦女と竊（ひそか）に相馴合ひける 是なん後ニ御臺所と仰かれ給ひ 頼朝公没後尼将軍と上れしハ 此姫君の事なりけ More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『箱根』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “工藤左ヱ門祐経は 所領の遺恨に依て河津三郎祐保を討（うつ） 其二男箱丸父の菩提の為とて箱根の別當きやうじつの弟子となる しかるに人となるにおよんで父の仇を討ん志を定む ある時當山（とうざん）へ左ヱ門祐経来る時 祐経に對面し あかぎづくりの短刀を貰ひ 弥々（いよいよ）敵（かたき）を討（うた）んと思ひそかに當山をぬけ出（いで） 下山なし 北 More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『原』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “東海道五十三驛の内 冨士山の眺望ハ此宿のわたりを第一とす 其図は普（あまね）く世にふりたれバ こヽに圖するハふじ山と名付る紀元（はじめ）なり 竹取の翁が娘赫奕姫（かくやひめ）ハ美顔雪肌（びがんせつき）の麗人なれバ 後宮に入内せよと数度の勅宣あれども 是にしたがひ奉らず 不死の薬と一封の文をさヽげて上天（しやうてん）しける 御門（みかど） 御なげ More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『吉原 冨士川水鳥』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “佐兵衛佐殿（さひやうゑのすけどの）むほんのよしありて 平家の大軍冨士川まで押よせ来りける所に ある夜 冨士沼にあまたなる水鳥の何かハ驚き 一度にぱつと立（たち）ける羽音雷大風（いかずちたいふう）の様に聞（きこ）へけれバ 平家の兵ども源氏の大軍向ひ来りと心得 皆々周章噪（あハてさわぎ）て尾州河洲俣へと落行（おちゆき）けり“ 画 More

日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『蒲原の駅 六本松の故事』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 “むかし矢矧の浄瑠璃姫 判官殿を恋慕ふてここまて到り疲れて終（つい）に死す 里人憐ミて葬り 塚の即に松を六本植置たり 後 小野於通といへる風流の妓女此姫の生涯の事を書つらね十二段とし 薩摩といへる傀儡師に教えて節を付語せける 是浄るりの中祖也“ 画帳『錦絵』より。古浄瑠璃『浄瑠璃十二段草子』における浄瑠璃姫の没地である蒲 More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『府中』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “安部郡に流るゆゑにあべ川と唱ふ 水源（ミなもと）は甲斐の白根が嶽（たけ）より落（おつ）る 急流にして大井川に双ぶ大河也 東岸に みろく茶屋とて餅をあきなふ あへ川餅の名 是より起る“ “名産安部茶は 府中の北 足久保より出る 関東茶園の第一にして 多く世に用る 上方宇治 信楽にるゐす 駿河路や 花橘も 茶の匂い はせを“ 画帳『錦絵』よ More

Woodblock print, oban tate-e. Okabe Station. The cat-witch of Okabe and her female victim. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『岡部』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “蔦の細道神社平（たいら）の上（かミ）の方（かた）に 猫石といふあり 古松六七株の陰に 猫の臥（ふし）たる形に似たる巨巌（こがん）あり 其昔 此所に一ツ家あ More

日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『藤枝』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “熊谷（くまがへ）次郎直実仏門に入（いり）て上洛し 黒谷の法然上人の弟子となり 蓮生法師と改め故郷へかへる道 藤枝の駅に宿（しゅく）せし家にて鳥目壹〆文（てふもくいつくわんもん）を上洛まで借用して其質物（しちもつ）に十念を授け 故郷へ帰り 其後（そのヽち） 又上洛の砌（みぎり）壹〆文を返し 預け置し十念を 今又我に給ハれといふに いと安き More

日本語: 應需豊國画「東海道五十三對」より『島田の驛 大井川』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 “大井川にて 河霧や 百万石も 浪の上 湘夕“ 画帳『錦絵』より。関取を四方輦台に載せて運ぶ大井川における徒歩渡しの情景。詞書の句の俳名「湘夕」は秋里籬島の俳号である。English: from the picture album "Nishiki-e"

日本語: 應需豊國画「東海道五十三對」より『あら井』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “李花集云（りくわしふにいわく） 延元四年春の頃 遠江国井伊城（ゐいき）濱名の橋かすミ渡り 橋本の松原はまの浪かけて はるばると見わたし あしたゆふべの気色おもしろくおぼえ侍りければ 夕暮はみなともそことしらすげの いり海かけてかすむ松原 宗良親王“ 画帳『錦絵』より。詞書は李花集から遠江国井伊城にて詠んだ宗良親王の和歌を記してい More

日本語: 應需豊國画「東海道五十三對」より『吉田』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 “うちそよき 霰（あられ）の鹿の子によろこひを まねくよし田の 二階穂の稲 梅屋“ 画帳『錦絵』より。吉田は「吉田通れば二階から招く しかも鹿の子の振袖が」と俗謡に歌われている土地で、この錦絵は飯盛女が茶屋の2階から旅姿の武士を呼ぶ情景を描く。背景に見える橋は豊川橋。English: from the picture album "Nishiki-e"

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『藤川』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “藤川水右衛門ハ 私のしゆいをもつて同家中磯貝兵太夫をやミ討になし 長光の刀をうはひ立退（たちのき） 行方をかくす 然るニ兵太夫倅兵助 父の仇（あた）を討んと所々をたづぬる内 眼病を煩ひ ある時水右衛門ニ出合しに 眼病ゆゑやミやミとかへりうちになる 其弟 終ニ水右衛門を尋（たつね）出し本望をたつす 藤川と云う名の因ニ依てこゝに出す“ 画 More

Woodblock print, oban tate-e. Nihonbashi Station. A woman on Nihonbashi bridge with a little girl and her toy figure; Mt. Fuji in the background. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『日本橋』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “手遊ひも ふり出す槍の にほんはし なまこ More

Woodblock print, oban tate-e. Nissaka from the series 53 stations of the Tōkaidō in pairs (or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"). This night scene illustrates the moment when the ghost of the murdered woman More

Featuring a "child-rearing ghost.日本語: 『東海道五十三対　日坂』‐幽霊・夜泣石‐ 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『日坂』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “昔 此駅に何某の浪人妻妊娠しける 夫ハ忠義の為に吾妻（あづま）へ赴くに 其帰（かえり）を待居たりし ある夜 佐夜の中山沓掛松原にて盗賊出て恋慕し 絶（たへ）ざるにより斬殺し行衛（ゆくえ）しれす 此女日比（ひごろ）念ずる観世音僧と More

Woodblock print, oban tate-e. Nissaka Station. Moonlit scene of a travelling warrior receiving a child from a ghost. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『日坂』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “昔 此駅に何某の浪人妻妊娠しける 夫ハ忠義の為に吾妻（あづま）へ赴くに 其帰（かえり）を待居たりし あ More

Woodblock print, oban tate-e. Numazu Station. Travellers on the road. 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『沼津』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 “水にせぬ ふかき恩きも ふミこんだ 沼津にあしの ぬけぬ旅人 梅屋“ 『伊賀越道中双六』の「沼津の段」を描いた錦絵。伊賀越道中双六は唐木政右衛門（荒木又右衛門）が義弟の和田志津馬（渡辺数馬）に助太 More

Woodblock print, oban tate-e. Fujieda Station. Former warrior Rensei is greeted by a girl at a gate. 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『藤枝』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “熊谷（くまがへ）次郎直実仏門に入（いり）て上洛し 黒谷の法然上人の弟子となり 蓮生法師と改め故郷へかへる道 藤枝の駅に宿（しゅく）せし More

Woodblock print, oban tate-e. Minakuchi Station. The strong woman Oiko watches peasants marvelling at the great rock that she moved single-handed. 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『水口』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “昔 高嶋といふ所に百姓の娘大井子（おほゐこ More

Woodblock print, oban tate-e. Odawara Station. Minamoto no Yoritomo being admitted to the house of Masako, daughter of Hojo Tokimasa (right). 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『小田原の驛』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 “前右兵衛佐源頼朝は 永暦元年より伊豆の國に配流 More

Woodblock print, oban tate-e. Oiso Station. Soga Juro and his mistress Tora Gozen with her maid at night. 日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『大磯』、海老屋林之助版、大判錦絵 “曾我十郎祐成ハ 弟の五郎と共に父の仇（あだ）なる工藤祐経を討（うた）んと心を砕きて附覘（つけねら）ふといへども 其便（たより More

Woodblock print, oban tate-e. Okabe from the series 53 stations of the Tōkaidō in pairs (or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"). Cats have been held in a very low esteem, might be that in some version recount More

Woodblock print, oban tate-e. Okabe Station. The cat-witch of Okabe and her female victim. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『岡部』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “蔦の細道神社平（たいら）の上（かミ）の方（かた）に 猫石といふあり 古松六七株の陰に 猫の臥（ふし）たる形に似たる巨巌（こがん）あり 其昔 此所に一ツ家あ More

Woodblock print, oban tate-e. Shinagawa Station. Shirai Gonpachi about to be attacked by an adversary with a club at night on the shore. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『品川』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “廿日間 邪魔なす雲を 打はらふ 丸にゐ中の 月の卜風 梅屋" More

Woodblock print, oban tate-e. Shirasuka Station. A woman on a terrace at night. 日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『白須賀 女谷之傳（おんなやのでん）』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “女谷は白須賀の東 橋本にあり 昔の宿驛にして 建久元年頼朝公上洛し給ふ旅舘の旧跡なり 此時 橋本の長より遊女群参す 故に其名あり 其頃 右大将に寵を得し More

日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『庄野』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “此驛の東に植野村といふ所あり 名馬生唼（いけずき）の出所なり 昔 此所の長者 野登の観音の示現によって此馬を得て 右大将頼朝卿へ捧げけり その後 佐々木四郎高綱へたまハりて 夫（それ）より宇治川の先陣をぞなしたりけり“ 佐々木四郎高綱、詞書は名馬生唼の産地が庄野驛の東の植野村であることを示している。 English: "Shôno: More

Woodblock print, oban tate-e. Shono Station. Sasaki Takatsuna fording the Uji River on the horse Ikezuki. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『庄野』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “此驛の東に植野村といふ所あり 名馬生唼（いけずき）の出所なり 昔 此所の長者 野登の観音の示現によって此馬を得て 右大将頼朝 More

Woodblock print, oban tate-e. Shono Station. Sasaki Takatsuna fording the Uji River on the horse Ikezuki. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『庄野』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “此驛の東に植野村といふ所あり 名馬生唼（いけずき）の出所なり 昔 此所の長者 野登の観音の示現によって此馬を得て 右大将頼朝 More

Woodblock print, oban tate-e. Shono Station. Sasaki Takatsuna fording the Uji River on the horse Ikezuki. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『庄野』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 “此驛の東に植野村といふ所あり 名馬生唼（いけずき）の出所なり 昔 此所の長者 野登の観音の示現によって此馬を得て 右大将頼朝 More

Woodblock print, oban tate-e. Tsuchiyama Station. The print depicts Tamura Shogun, directed by Kwannon in the guise of a woman, about to attack the demon god of Mount Suzuka. 日本語: 一勇齋國芳画「東海道五十三對」より『土山』、伊勢屋市兵衛 More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『赤坂 宮路山の故事』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 "昔 太政大臣師長 尾張の国にさすらへ 配所のつれづれこの宮路山に分入木々の紅葉を眺めつゝ 辺りの岩に腰を掛 琵琶を弾じ居給ひしに いづくとも美女來り調につれて唱哥なす 師長是を見かへり給へバ 即ち鬼神の姿と也 我ハ此山の水神なり 御身が秘曲の勝れしまゝ 茲に形を顕す也と 其侭消失にける也" 平清盛によって尾張に流された藤原師長 More

日本語: 香蝶櫻豊國画「東海道五十三對」より『袋井 桜か池の由来』、伊勢屋市兵衛版、大判錦絵 "ある夜法然上人の庵へ 女性来りて我ハ艮嶽（こんがく）の源皇阿闍梨（げんくわうあじゃり）より龍善三會の暁（さとり）をまたんため 桜か池ニ入宮して今ハ龍身となれり 然るニ忽身の鱗の合ニ 数万の虫わきて 日に三度 夜に二度身を苦（くる）むる事堪がたし あハれ桜か池ニ来て 此苦（くるし）ミをたすけてたへと涙を落して頼ける 上人夢覚 More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『箱根』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵（異版） "箱根路を ゆさんなからの 湯治とは かねを持たが 病なるべし 梅屋" 「塔の澤　湯治場の圖」 箱根温泉の七湯の一つである塔之沢温泉を描いた錦絵。塔之沢温泉は景勝地としても知られ、屋内の女性は勝麗山を望んでいる。 English: "The 53 stations of the Tōkaidō in pairs" (or "53 P More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『原』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵（異版） "与右ヱ門ハ原宿（はらのしゆく）の百姓なり 天性柔和にして情深く強きをくじきよわきを助け あまたの荘園（でんはた）を持て其家富栄るといへどもいさヽかおごらず高ぶらず貧きに恵ミて業を勤む ある時夜行（よあるき）して旅人（りよじん）をなやまする悪漢（わるもの）をこらす此如（かくのごと）き義勇挙てかぞへがたし 其子孫今に栄えて連綿たり" More

日本語: 揃物『東海道五十三對』各版元による詞書の枠取り。上段左伊場屋仙三郎、上段右伊場屋久兵衛、中段左遠州屋又兵衛、中段右伊勢屋市兵衛、下段左海老屋林之助、下段右小嶋屋重兵衛 English: "The 53 stations of the Tōkaidō in pairs" (or "53 Parallels for the Tōkaidō Road"), Kotobagaki frame of each publishers.

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『京』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 "綾にしき 織れるミやこは たてぬきに ゆきかう人も しげき大橋 梅喜" "三條大橋ハ東國より平安城に至る候口にして貴賤の行人常にたへず 皇都のはんくわ この橋上に見へたり 四方の山川 名所 旧跡 遠近につらなり 展望尽ることなし" 三條大橋上の女性と少女の錦絵。「五十三對」の『日本橋』と対をなした構図であるが、女性の髪形は西日本でよく結われ More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『丸子 手越の古驛』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 "手越の古駅ハ丸子の東にして あべ川の西岸（さいがん）にあり むかし 中将重衡囚れて鎌倉に下り給ふ時 此所に宿り給ふ 頼朝公深く痛（いたハ）り 手越の長者が娘千壽（せんじゅ）の前といへるを御伽（おとぎ）に付（つけ）られける 此女眉姿（ミめかたち）心様も優にして 糸竹の道さへ勝れ 琵琶琴 或ハ今様の白拍子を舞て心を慰めわかれけるが 重 More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『丸子 手越の古驛』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 "手越の古駅ハ丸子の東にして あべ川の西岸（さいがん）にあり むかし 中将重衡囚れて鎌倉に下り給ふ時 此所に宿り給ふ 頼朝公深く痛（いたハ）り 手越の長者が娘千壽（せんじゅ）の前といへるを御伽（おとぎ）に付（つけ）られける 此女眉姿（ミめかたち）心様も優にして 糸竹の道さへ勝れ 琵琶琴 或ハ今様の白拍子を舞て心を慰めわかれけるが 重 More

日本語: 朝櫻樓國芳画「東海道五十三對」より『水口』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 “昔 高嶋といふ所に百姓の娘大井子（おほゐこ）といふ大力の女あり 力ある事を恥て 常にハ出さず 農業の間にハ馬を牽（ひき） 旅人（りょじん）を乗（のせ）て活業（なりわい）とす 折節 田に水をまかする頃 村人大井子と水の事を論じ 女と侮り 彼が田へ水のかゝらぬやうにせしかバ 大井子憤りて ある夜六七尺四方なる石を持来り かの水口（みずくち） More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『三嶋』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵 "天平五年大山祇命（おおやまぎヽのミこと）を祭りて 三嶋明神と称し奉る 故に驛の名とす 祈雨（きう）の御神にして能因法師の雨乞 光廣卿の止雨（しう） 和哥を奉りて共に感應（かんおう）あり 宮居（みやゐ）壮麗にして社頭巍々（ぎヽ）たり　こヽに鎮座し給ふより千余歳（せんよさい） 神徳日々新（あらた）なり" 「正月六日 三嶋祭の圖」 詞書には三島神 More

日本語: 應需豊國画「東海道五十三對」より『宮の驛 反魂塚』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 "むかし 藤といふ女有 其夫 奥州の方へ遠征に行て久しく帰らす 妻これを嘆きて終に空しくなる 夫 月を累ねて帰り愁傷し 東岸居士といふ名僧に願ひけれバ 反魂の法を行ひ姻中に姿をあらハしたまふ その藤女か塚といふ" 宮近郊にあった藤女が塚（反魂塚）の起源を基とした錦絵。現在もあま市上萱津には反魂香という地名が残っている。亡くなった More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『岡崎 矢矧の宿』、伊場屋久兵衛版、大判錦絵 "古（いにしえ）の駅宿（ゑきじゅく）なり 昔 牛若丸奥州下向の折から 爰（こゝ）に逗留ある 矢矧の長者か娘浄瑠璃姫に深（ふかく）思（おもは）れ 比翼の契浅からざりしが 望有身（のぞミあるみ）と旅路に赴く 姫は別れを惜しみつゝ 遂に館を忍び出 あとをしたひてたどりしが 道にてはからずむなしく成（なり）ける この姫いまた世にある時 十二段 More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『興津 田子の浦風景』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 "興津の海濱塩竃の邊より 津々浦々に小名あれとも昔ハおしなへて田子の浦と唱ふ 見わたせバ名にしあふ富士の高根愛鷹山 薩埵山 興津川の流れ 清見か関 清見寺 三保か崎其餘の眺望あげて かぞへかたく実に東海一の勝地といふへし 山邊赤人 田子の浦に 打出て見れハ 白妙の ふしの高根に 雪ハふりつヽ" 田子の浦にて富士山を望む山邊赤 More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『坂の下 すゝか山鈴鹿の神社の由来』、遠州屋又兵衛版、大判錦絵 "昔 天智天皇の皇弟皇子 大友の乱をさけ 此すゞか山にわけ入給ふに 柴の庵に壹人の翁あり 皇弟こゝに宿し給ふ 翁つくづくと見奉り 君ハ王位龍顔顕れまします われにひとりの姫あり 君に相ならふて相貴（たつと）しとて 皇弟に奉る 則最愛あつて 我ハ浄見原親王也とて しばらく此家に忍ひ給ふ 翁 誠心を尽し 位奉り後 大友を More

日本語: 廣重画「東海道五十三對」より『関』、海老屋林之助版、大判錦絵 "関の地藏尊再興のとき 一休和尚に開眼を乞（こひ）けれバ犢鼻褌（ふんどし）をときて 地藏の首にまとひし事は 世に傳えて知るところなり 高須の遊君地獄といふ女 一休を尊信して信解（しんげ）を請（うく）る 其始連哥問答のことハ 事繁けれバ こゝに誌さず その面影（かたち）を圖するのミ" 関の地蔵院は一休宗純の地蔵開眼の逸話でも知られる寺で、これに因 More

日本語: 廣重画（斎号：一立斎）「東海道五十三對」より『戸塚』、伊場屋仙三郎版、大判錦絵（初版） "白雲に よう似た花へ 舞う蝶も とまりとまりの 枝の夕霧 重の屋光雄" この情景は仮名手本忠臣蔵の一幕『道行旅路の花聟』から、戸塚における腰元お軽を題材にしたものとされる。詞書の狂歌からは忠臣蔵を連想するのが難しいと判断されたためか、2版では狂歌が新たに書き換えられている。 English: "The 53 sta More

日本語: 應需豊國画「東海道五十三對」より『四日市 那古海蜃楼（なこのうミかひやぐら）』、小嶋屋重兵衛版、大判錦絵 "此浦より春夏の間 蜃楼海上に立つ 諺にいはく 伊勢太神宮（いせだいじんぐう）尾張の熱田宮（あつたのミや）へ神幸（しんこう）ありといふ 行幸（ぎょうこう）旌蓋（せいかい）前後にあり また諸侯行列の躰（てい） またハ樓臺（ろうたい）宮殿のかたち鮮（あざやか）にて 時に漁人（ぎょじん）見ることあり たちまち More